次亜塩素酸ナトリウムのSDS交付義務はいつから?——2027年4月1日に追加(公布済み)
洗浄・除菌・水処理まわりの薬剤で名前を見る次亜塩素酸ナトリウム(CAS 7681-52-9)。「対象物質一覧に無いから、うちの台帳では対象外にしている」という整理は、期限付きで正しい状態です。追加はすでに公布されており、施行日も確定しています。
本記事は労働安全衛生法のラベル表示・SDS交付義務のみを扱います(他の法令上の扱いは本記事では扱いません)。
次亜塩素酸ナトリウムのSDS(書類そのもの)をお探しの方へ:製品のSDSは、購入先(販売店・商社・メーカー)に品番で請求するのが最短です(請求文テンプレ付きの入手方法)。単一物質としての参考資料は、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の次亜塩素酸ナトリウム(水溶液)のモデルSDSが公開されています(製品ごとのSDSの代わりにはなりません)。以下は、そのSDSを受け取った側の「義務はいつからか」の整理です。
結論:2027年4月1日から義務対象。カルシウム塩はすでに対象
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収載名 | 次亜塩素酸ナトリウム |
| 英語名称 | Sodium hypochlorite |
| CAS RN *1 | 7681-52-9 |
| SDS交付等に係る裾切値 | 1% |
| 義務の開始 | 2027年(令和9年)4月1日 |
| 根拠 | 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和7年政令第35号・令和7年2月19日公布)ほか |
現行の一覧(令和8年4月1日時点施行分)に「次亜塩素酸ナトリウム」の収載はありません。したがって、この物質を理由とするラベル表示・SDS交付の義務は、現時点では生じません。ただしこの状態は2027年3月31日までのもので、4月1日からは裾切値1%以上を含む製品に義務がかかります。
一方で見落としやすいのが、次亜塩素酸カルシウム(CAS 7778-54-3)はすでに現行の対象という点です。塩の種類が違えば、一覧上は別の行になります。
PDFをドラッグ&ドロップするだけ。登録不要で試せます(無料は月3件まで)。
自社で判断しづらいSDSは、先行期間(10月31日まで)は3製品まで無料でこちらで確認します。info@sdscan.jpにPDFを添付してお送りください(PDF化がむずかしい場合は製品名を一言でも構いません)。この確認は判定と同じ情報提供であり、法令適合の保証や法的助言ではありません。
次亜塩素酸の塩ファミリー6件——収載時期と裾切値
| 収載名 | CAS RN *1 | SDS交付等に係る裾切値 | 義務の開始 |
|---|---|---|---|
| 次亜塩素酸カルシウム | 7778-54-3 | 1% | 現行(令和8年4月1日時点で収載) |
| 次亜塩素酸カリウム | 7778-66-7 | 1% | 2027年4月1日 |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 7681-52-9 | 1% | 2027年4月1日 |
| 次亜塩素酸バリウム | 13477-10-6 | 1% | 2027年4月1日 |
| 次亜塩素酸マグネシウム | 10233-03-1 | 1% | 2027年4月1日 |
| 次亜塩素酸リチウム | 13840-33-0 | 0.1% | 2027年4月1日 |
この表から読めることが3つあります。
- カルシウム塩だけが先に収載されている。 「次亜塩素酸系はまだ対象外」とまとめて処理すると、カルシウム塩を取りこぼします
- 裾切値は塩ごとに違う。 5件は1%ですが、**リチウム塩だけ0.1%**です。同じファミリーだから同じ値、とは扱えません
- 台帳では塩の種類まで書き分ける必要がある。 「次亜塩素酸」までしか記録していない台帳は、2027年4月の再照合で判定できません
どこで出会うか(一般論)
次亜塩素酸ナトリウムは、洗浄・除菌・水処理系の薬剤に配合されることがある成分です。原液のほか、希釈液・配合品として棚にあることもあります。自社の製品に入っているか、何%入っているかは、製品ごとのSDSの「3. 組成及び成分情報」で確認してください(3項の読み方)。
含有量が範囲表記(例:「5〜10%」)のときは、上限側で裾切値と比べるのが安全側の読み方です。裾切値1%は、希釈して使う運用でも超えることがある水準です。
今やること:施行を待たずに台帳化
2027年4月1日は、追加される151物質のうちの1つとしてこの物質が効いてくる日です(同じ改正で既収載物質の裾切値変更も入ります)。やることは施行日に依存しません。
- SDSを揃え、成分・CAS番号・含有量を台帳化する——台帳のテンプレート。ここで「次亜塩素酸ナトリウム/7681-52-9/◯%」まで書けていれば、施行時は差分確認だけで済みます
- 確認日とリストの版を記録する——「2026年4月1日施行版で確認」と残します。これが無いと、リスト更新のたびにゼロからやり直しになります
- 2027年4月前後の再照合を、担当と時期を決めて仕組みにする——追加される物質の全体像は2027年4月・2028年4月の追加まとめに整理しています
- 供給者への確認——施行後に交付されるSDSは改訂版になります。入手ルートを先に押さえておくと詰まりません(SDSの請求文テンプレ)
公布済み・未施行の追加分は、物質一覧で「2027年4月追加」に絞り込んで検索できます。
診断ツールではどう出るか
SDScanの無料診断は、判定を現行の義務対象リスト(現在約2,300物質収載)で行い、公布済み・未施行の追加リストに収載された成分は🟡で予告します。
| SDSの成分名 | CAS | 判定 | 判定根拠の表示 |
|---|---|---|---|
| 次亜塩素酸ナトリウム | 7681-52-9 | 🟡 | 「現行リスト(2026-04-01施行版)には該当なし」「2027年4月1日から義務対象に追加(公布済み・収載名「次亜塩素酸ナトリウム」)」 |
| 次亜塩素酸カルシウム | 7778-54-3 | 🔴 | 「裾切値1%以上→対象」(含有量が裾切値以上の場合) |
同じ次亜塩素酸系でも、Na塩は🟡(現行は該当なし・施行日の予告つき)、Ca塩は🔴になります。🟢は「現行リストに一致する行が見つからなかった」という意味で、対象外の証明ではありません。
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自社で判断しづらいSDSは、先行期間(10月31日まで)は3製品まで無料でこちらで確認します。info@sdscan.jpにPDFを添付してお送りください(PDF化がむずかしい場合は製品名を一言でも構いません)。この確認は判定と同じ情報提供であり、法令適合の保証や法的助言ではありません。
よくある質問
Q. SDSは今も届いています。まだ対象外なのですか? A. 現行一覧に収載がないため、この物質を理由とする義務は現時点では生じません。義務の該否と、供給者がSDSを出しているかは別問題です(他の成分が対象の場合や、任意発行の場合があります)。
Q. 次亜塩素酸カルシウムと同じ扱いでいい? A. 別の行です。Ca塩は現行から収載で裾切値1%、Na塩は2027年4月1日から・裾切値1%、リチウム塩は0.1%です。台帳では塩の種類まで書き分けてください。
Q. 2027年4月までに何をしておけば? A. SDSの3項の成分・CAS番号・含有量の台帳化と、確認日・リストの版の記録です。施行時の作業が差分確認だけで済みます。
まとめ
- 次亜塩素酸ナトリウム(7681-52-9)は2027年4月1日から義務対象。SDS交付等の裾切値は1%(令和7年政令第35号・令和7年2月19日公布)
- 現行一覧に収載はなく、この物質を理由とする義務は現時点では生じない——ただし期限付きの状態
- 次亜塩素酸カルシウム(7778-54-3)はすでに現行の対象(裾切値1%)。「次亜塩素酸系はまだ」とまとめない
- 裾切値は塩ごとに定められ、リチウム塩は0.1%。台帳は塩の種類まで書き分ける
- 施行前にやるのは台帳化と、確認日・リスト版の記録。施行時は差分確認だけで済む
参考(一次情報)
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」令和8年4月1日時点施行分(次亜塩素酸カルシウム)/令和9年4月1日施行分(次亜塩素酸カリウム・ナトリウム・バリウム・マグネシウム・リチウム)
- 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和7年政令第35号・令和7年2月19日公布)
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」:表示・通知対象物質の一覧・検索
※本記事は情報提供であり、法令適合を保証するものではありません。施行日・収載名・裾切値は一次資料でご確認いただき、自社製品の該否の最終判断は、貴社の化学物質管理者または有資格の専門家にご確認ください。
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台帳を作ってもらう →PDFが手元にないときは、SDSの3項の成分名・CAS番号を貼るだけの照合(送信なし)でも同じ判定が出ます。